
日本のプロ野球の中継やスポーツニュースで、「リリーフ」や「セットアッパー」という言葉をよく耳にしますよね。
特に、勝利の方程式としてゲームの終盤(主に8回)を任される「セットアッパー」は、試合の行方を左右する非常に重要な役割です。
しかし、この「リリーフ」や「セットアッパー」という言葉。
実は英語圏ではほとんど使われていません。
そこで今回は、野球の「リリーフ」や「セットアッパー」の正しい英語表現と、その背景にある違いをわかりやすく解説します。
「リリーフ」は英語で何て言う?
まず、先発投手のあとに登板する投手を「リリーフ」について見ていきましょう。
日本語では「リリーフを送る」「リリーフ陣」のように使われますが、英語でもそのまま relief という単語が使われます。
ただし、選手個人を指す場合は
・relief pitcher(リリーフ ピッチャー)
・reliever(リリーバー)
という表現を使います。
「relief」は「安心、除去、救援」とう意味の名詞です。
まさに、ピンチの場面で先発投手を「救援」し、チームやファンを「安心」させる役割にぴったりの単語ですね。

リリーフピッチャーのときは「relief」って最後が「f」で終わってますよね?
なのにどうして「reliever」のときは「v」になるんですか?
英語で「~する人」を作る 「-er」 は、基本的に動詞の後ろにつきます。
つまり
・relief … 名詞
・relieve … 動詞
なので、「-er」は動詞である「relieve」の後ろにつきます。

「relieve」は最後が「e」で終わっているので、「r」をつけるだけでOKです。
「セットアッパー」は和製英語なの?
「セットアッパー(setupper)」という言葉は、日本のプロ野球でよく聞くようになりましたよね。
7~8回に登板してクローザーへつなぐ、とても重要な役割のリリーフ投手のことです。
でも実はこの言葉もMLBでは使われません。
セットアッパーは日本独自の使われ方が定着した表現、つまり和製英語ともいえる言葉なのです。
英語にも「set up(準備する、整える)」という動詞はあります。

でもMLBでは「setup」に「-er」をつけて「setupper」という形では使いません。
英語では、主に以下のような表現が使われます。
・setup man
・setup pitcher
・late-inning reliever(試合終盤のリリーフ投手)
つまり日本語の「セットアッパー」は、英語の「setup」に「-er」 を付け足して作られた、日本独特の呼び名(カタカナ英語)と考えられます。
「トップバッター」や「ランニングホームラン」と同じく、英語由来ではあるものの、日本で使いやすい形に変化した言葉のひとつですね。
近年の変化:setup man から setup pitcher へ
ここでひとつ、現代の英語表現の変化について軽く触れておきましょう。
英語では伝統的に「setup man」という呼び方が長く使われてきました。
しかし、近年では
・ジェンダーニュートラルの観点
・スポーツにおける多様性を尊重する動き
などから、男の人を意味する「man」 という言葉を避ける傾向があります。

一般的な言葉でも
fireman ➡ firefighter(消防士)
policeman ➡ police officer(警察官)
になったりしてますもんね。
そのため、現在では
・setup man ➡ setup pitcher
という呼称が使われるようになっています。
最新の野球英語に触れる際は、こうした言葉のアップデートにも注目してみると面白いですよね。
中継ぎ・抑えの英語表現
「リリーフ」や「セットアッパー」以外の表現について見てみましょう。
✅middle reliever(中継ぎ)
主に試合の中盤(5回〜7回付近)を投げる投手を指します。
✅closer(抑え/守護神)
試合の最後を締めくくる投手です。
近年の野球では、投手の役割が細分化されています。
以前は先発以外のピッチャーは「リリーフピッチャー」「抑え」という呼び方でしたが、試合のどこで登板するかによって呼び方が変わるようになりました。
「リリーフ」を使った例文
それでは、「リリーフ」や「セットアッパー」を使った例文を見てみましょう。
He is a reliable reliever. (彼は信頼できるリリーフ投手です。)
The manager brought in a relief pitcher. (監督はリリーフ投手を投入した。)
The team needs a good setup pitcher. (そのチームには優秀なセットアップ役が必要です)
He worked as a setup man last season. (彼は昨シーズン、セットアップ役として活躍しました)
A strong setup pitcher is the key to winning the game. (強力なセットアッパーが勝利の鍵となります。)
MLBの解説などでは、「The bridge to the closer(クローザーへの架け橋)」といった表現でセットアッパーの重要性が語られることもあります。
今日のまとめ

今日は「リリーフ」「セットアッパー」について説明しました。
「リリーフ」は英語で relief pitcher や reliever といいます。
「セットアッパー」は日本だけで使われている表現で、英語では setup pitcher (man) と言うのが一般的。
近年はジェンダーへの配慮から setup man よりも setup pitcher が好まれる傾向にあります。
日本のプロ野球とMLBでは、言葉の意味や使われ方が少し異なる場合があります。
こうした小さな違いを知ることで、英語学習としての面白さはもちろん、野球そのものへの理解もさらに深まりそうですね。
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