こんにちは。
ドジャースの大谷翔平選手の結婚が話題になっています!
その英文の中に「very special to me」という表現があり、多くのファンがその表現を見てざわついてましたね。
シンプルだけど、とても心のこもった表現だと思います。
さわやかでかっこいい大谷選手らしいですよね!
「very special to me」の意味
では、今話題の「very special to me」という表現の意味をみてみましょう。
・very special to me
私にとって非常に特別
「very」は「とても」「非常に」という意味の副詞です。強調するときに使います。
「special」は「特別な」という意味の形容詞です。
「to」は「~にとって」という意味の前置詞です。
つまり「to me」で「私にとって」という意味になるんです。
なるほど。
大谷選手にとって、結婚した相手の女性は「とても特別」な存在なんですね!
「very special to me」はとってもロマンチックな印象がありますよね。
実際に大切な家族や恋人、友人などに対して使われることの多い表現です。
でもこの「very special to me」は、「文」ではありません。
なぜなら、
・大文字から始まっていない
・ピリオドがない
・主語も動詞もない
なので、「文」としての体裁が整っていないんです。
たしか、大谷選手の結婚発表はもっと長い文章でしたよね?
関係代名詞「who」の意味と使い方
「very special to me」だけ切り取って説明していますが、実はこれはもっと長い一文のほんの一部分なんです。
Not only have I began a new chapter in my career with the Dodgers but I also have began a new life with someone from my Native country of Japan who is very special to me and I wanted everyone to know I am now married.
長いですね…。
これで一つの文なんですか?
そうなんですよ。
大文字から始まって、最後にピリオドが付いているので、これで一つの文です。
単語はそれほど難しくないと思うのですが、文法的には関係代名詞が使われていたりするのでちょっと難しいかも。
少し文を区切って説明します。
someone from my Native country of Japan who is very special to me
私にとって非常に特別な、私の生まれ故郷である日本出身の人
「someone」は「(ある)人」という意味の名詞です。
「native」は「出生地の」という意味の形容詞です。
「native country」で「出身国」という意味になります。
まだこのブログでは説明していませんが、赤字の「who」は関係代名詞と言います。
「who」以下が「someone」にかかっていて、どんな人であるかを説明している形です。
関係代名詞についてはまた改めて詳しく説明します。
ここでは、「who is very special to me」が「someone」を説明していて、「私にとって非常に特別な人」という意味になっているということだけ覚えてください。
「want(人)to ~」の意味は?
次に「want(人)to ~」という形が出てきます。
I wanted everyone to know I am now married
私が今結婚しているということを、みなさんに知ってもらいたかったのです
「want」は「~欲しい」「~したい」という意味の動詞です。
「everyone」は「みんな」という意味の代名詞です。
「know」は「知っている」という意味の動詞です。
「be married」で「結婚している」という熟語です。
「want(人)to ~」の形で「(人)に~してもらいたい」という意味になります。
たとえば
「I want you to study English.」
なら、「私はあなたに英語を勉強してもらいたい」という意味になります。
よく
「I want to play tennis.(私はテニスをやりたい)」のように「want to」の形がでてきますよね?
「want」と「to」の間に「人」が入ったら、その「人」にやってもらいたいという意味になるんですね!
大谷選手の英文の場合、
「want everyone to know ~」という形になっています。
なので、「みなさん(everyone)に知ってもらいたい」という意味になります。
この「want(人)to ~」は日常会話でもよく出てくる表現です。
ぜひ覚えて使ってみてください。
「not only A, but also B」の意味
「not only A, but also B」は「Aだけでなく、Bも」という意味です。
中学校で習うので、覚えている人も多いと思います。
ところがですね…
この大谷さんの英文で使われている「not only A, but also 」はとても説明するのが難しいんですよ。
Not only have I began a new chapter in my career with the Dodgers but I also have began a new life with someone
ドジャースとともに私の経歴における新たな区切りを始めただけでなく、ある人と一緒に新たな人生を始めた
「began」は「begin」という動詞の過去形です。
「chapter」は「章」「区切り」などという意味の名詞です。
「career」は「経歴」「生涯」などという意味の名詞です。
確かに「not only A, but also B」が使われていますね。
でも、どうしてそのあと「I have began」じゃなくて「have I began」なんですか?
普通、「not only A, but also B」が文中にある場合、「I have began」という平叙文の語順になります。
しかし、「Not only ~」というように「not」が文頭にある場合、「倒置」が起こるのです。
えっと、「倒置」ってなんでしたっけ?
「主語」や「動詞」の位置を入れ替えることを「倒置」といいます。
いつもと語順が違えることで、読み手や聞き手の興味を引くことができます。
大谷さんの文は、まさに「not」が文頭にありますよね。
難しいですが、これは文法上のルールです。
「not」や「never」のような否定語が文頭にある場合は「倒置」が起こるということを覚えておいてください。
「I have began」ではなく「have I began」になっているのは倒置が起こっているからです。
もう一つこの文の中にややこしい部分があるんですが…
「I have began」は、一見すると「現在完了形」になっているように見えますよね?
このブログではまだ「現在完了形」までたどり着いていないのですが、ざっくり説明すると「have+過去分詞」で「経験」「継続」「完了」などを表す時制のことです。
あれ?
「began」は「begin」の過去形なんですよね?
過去分詞じゃないですよね?
実は大谷選手の英文の中では、本来過去分詞の「begun」(ビガン)が使われるべきところで、なぜか過去形の「began」(ビギャン)が使われています。
理由はわかりません。
ただ、話し言葉やカジュアルな文章では、そこまで正しい文法を意識する必要がないですよね。
それに不規則動詞の中には過去形と過去分詞がまったく同じ形のものもたくさんあります。
一平さんとかのネイティブチェックも入ってると思うんですけどね。
普段使っている英語のイメージのまま文章を作成したのか、それともカジュアルなイメージの演出なのか、はっきりしたことはわかりません。
ただ、多少文法的に間違っていても、大谷選手の伝えたいことは世界中の人に伝わったはずです。
そういう意味ではとてもいい英文なのかな、というのが率直な感想です。
今日のまとめ
今日は大谷翔平選手が結婚を発表した際の英文について解説しました。
このブログで今までに解説した文法だけでは、なかなかすべてを説明するのは難しかったです。
でも、単語そのものはカジュアルで簡単なものがチョイスされていて、パッと見ただけで日本人にも理解しやすいのではないかと思います。
文法的には「現在完了形」「倒置」など聞き慣れないものが出てきましたが、また改めてこのブログの中で解説していきますね。