
こんにちは!
今日も中学英語の復習をがんばりましょうね。
「Stay hungry, stay foolish.」というフレーズを聞いたことがありますか?
これは、Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学の卒業式スピーチで語った有名な言葉です。
シンプルな英語ですが深い意味を持ち、多くの人に影響を与えました。
この記事では、「Stay hungry, stay foolish.」の意味や文法、ジョブズがこの言葉を選んだ背景などについて解説します。

「ステイ ハングリー ステイ フーリッシュ」?
短いフレーズだけど、日本語訳にするのが難しそうですね。
自分にぴったりのオンライン英会話を見つけたい方はこちら⇩
「Stay hungry, stay foolish.」の意味
それでは「Stay hungry, stay foolish.」の意味について見てみましょう。
・Stay hungry, stay foolish.
ハングリーであれ、愚かであれ
「hungry」は「空腹の」という意味の形容詞です。
日本語でも「ハングリー」は「食べ物に飢えている」という意味だけでなく、「精神的に何かが足りなくて渇望している」というような意味にもなりますよね。

「ハングリー精神」とかですね。

ここでの「ハングリーであれ」というのは、実際にお腹がすいているという状況ではなく、「ハングリー精神を持ち続けろ」という意味。
「foolish」は「愚かな」という意味の形容詞です。
「stay」は「滞在する」「~のままでいる」という意味の動詞です。

文法的には動詞から始まっているので「命令文」です。

「愚かであれ」というのは、どういう意味かな?
アントニオ猪木が「バカになれ」ってよく言ってましたけど、同じような意味ですか?
アントニオ猪木さんの真意はわかりませんが、「自分の損得ばかり考えないで、がむしゃらに進め!」というような意味ではないかと思います。

ジョブズの言いたいこともこれに近いのではないでしょうか。
「他人に惑わされず、自分の利益ではなく本当に好きなことを探し続けろ」
「stay foolish」にはそんな思いが込められてる気がします。
「Stay hungry, stay foolish」は誰の言葉?元ネタは?

この言葉の元ネタは、1970年代に発行されていた『The Whole Earth Catalog(全地球カタログ)』という雑誌の最終号に書かれていたメッセージです。

若いころのジョブズはこの雑誌を愛読していたそうです。

「Stay hungry, stay foolish」はジョブズが考え出した言葉ではなくて、雑誌からの引用だったんですね。
ジョブズはこのスタンフォード大学でのスピーチで、「3つの話をします」と前置きして話し始めました。
①点と点をつなぐ
ジョブスには、生みの親と育ての親がいます。
育ての親はあまり裕福ではなかったのですが、生みの親との約束を守り、全財産をつぎ込んで彼を大学に通わせてくれました。

でもジョブズはそこまでして大学に通う意味が見いだせず、わずか半年でやめてしまいます。
しかし彼は、そのまま大学にとどまり、興味の赴くままにいろいろな授業を受けました。
そこで受けた「カリグラフィー」の授業のおかげで、美しいフォントの文字が入ったパソコンを作ることができたそうです。

「カリグラフィー」とは「文字を美しく書く伝統的な手法」のことです。
でも彼はこの授業をパソコンのフォントのために受けたわけではありません。

なるほど!
あとから「カリグラフィー」の授業が役に立ったんですね!
それが点と点をつなぐという意味ですか?
一見して関連があるように思えない「パソコン」と「カリグラフィー」。
それがつながったことをジョブズは「点と点をつなぐ」と表現したのです。
②愛と敗北
ジョブズは30歳のとき、Appleを解雇されます。
一緒に経営していた人との間に、決定的な亀裂が入ったのがその理由です。
しばらくは茫然としていたようですが、その後の5年間で「NeXT」や「ピクサー」という会社を起業します。

「ピクサー」ってひょっとして「トイ・ストーリー」っていうアニメ映画を作った会社のことですか?

そうです。
そしてAppleがNeXTを買収することで、ジョブズは思いがけずAppleに戻ることになるんです。
ちょうどそのころ、ジョブズは結婚し家庭を築いています。
Appleを追われることで敗北感を味わったかもしれませんが、何ものにも代えがたい家族というものを手に入れたわけですね。
③死について
このスピーチの一年ほど前、ジョブズはガンを患い余命半年を宣告されています。

え…。
ということは、このスピーチの時点でジョブズは余命宣告を超えていたんですね?
実は余命宣告の後の検査で手術で治癒可能なタイプのガンだとわかり、手術をしたようです。
ただスピーチの中でジョブズは、「人生の中で最も死に近づいた瞬間」と言っています。
死は誰もに訪れます。
だからこそ、時間を無駄にせず、自分の心と直感に従う勇気を持つように…というのがここでのジョブズの伝えたいことだったのでしょう。
ジョブズは自分も「Stay hungry, stay foolish」でありたいし、卒業して次の人生に踏み出す人たちにもそうであってほしいとしてスピーチを締めくくっています。
今日のまとめ「Stay hungry, stay foolish.」


「Stay hungry, stay foolish.」は、スティーブ・ジョブズがスピーチの中で語ったシンプルでありながら深いメッセージを持つ言葉です。
「常に向上心を持ち、新しいことに挑戦し続けよう」「失敗を恐れずにチャレンジしよう」などという前向きなメッセージだと受け取れます。
ジョブズはこのスピーチから6年ほど経った2011年に56歳の若さで亡くなりますが、彼の残した「Stay hungry, stay foolish.」という言葉は世界中の人々の心の支えとして受け継がれています。