
海外の会社名の後ろに「Ltd.」という文字がついているのを見たことはありませんか。
普段何気なく目にしている言葉ですが、「これってどういう意味」と聞かれると、答えられない方も多いのではないでしょうか。
この「Ltd.」は、ビジネス英語において重要な役割を持っています。
会社名の最後にこの文字がついているのには、法律上の大切な理由があるのです。
今回は、英語の「Ltd.」について、何の略なのか、どうやって読むのかといった基本から、よく似た言葉である「Inc.」や「Co., Ltd.」との違いまで、中学英語レベルでわかりやすく解説します。
「Ltd.」とは?何の略?
「Ltd.」とは
Limited(リミテッド)
を短く省略した形です。
意味は
制限された、限られた
です。
ビジネスの世界において、何が制限されているのかというと、それは「責任」です。
たとえば、自分で作った会社が倒産して大きな借金を抱えてしまったとします。
その際、自分の全財産を投げ打ってでもすべての借金を返さなければならないのでしょうか。

それじゃあ怖くて、誰も新しいビジネスなんか始められませんよね。
そこでできたルールが、出資した金額の範囲内だけで責任を負えばよいというもの。
これを「有限責任」と呼びます。
「Ltd.」は、まさにこの「有限責任の会社です」ということを示すための言葉なのです。
読み方はそのまま「リミテッド」と発音します。
最後にピリオドがついているのは、これが省略された言葉であることを示す英語のルールです。
「Co., Ltd.」という表現もよく見かけますが、この中に含まれる Ltd.も、同じく「Limited」の省略形です。
「Ltd.」はなぜ会社名の最後に付くの?
「Apple Inc.」
「Sony Interactive Entertainment Ltd.」
のように、海外の企業名はなぜ最後に「Inc.」「Ltd.」などの文字がくっついているのでしょうか。

たしかにそうですね。
日本なら「株式会社〇〇」みたいに最初につくパターンもありますよね。
日本では「株式会社」や「有限会社」という言葉は、会社の名前の中に必ず入れなければなりません。
これは海外でも同じで、その会社がどのような法的責任を持つ組織なのかを、名前を見ただけで誰にでもわかるようにする必要があります。
日本語では「株式会社○○」のように前に置くことも多いですが、英語圏では
会社名 + 会社の種類
という順番で並べることが決められています。
「Ltd.」は有限会社?株式会社?
「Limited」を直訳すると「有限の」となるため、学校の授業や辞書では「Ltd. = 有限会社」と習った覚えがある方もいるかもしれません。
しかし「Ltd.」は日本の「有限会社」と完全に同じ意味というわけではありません。
日本の法律における「有限会社」は、家族や少人数で営む小規模の会社であることが一般的です。
(※現在の法律では有限会社を新しく作ることはできません。)
しかし海外の「Ltd.」とついている企業には、日本人の感覚からすると巨大な株式会社に見えるところもたくさん含まれています。
・日本の古い制度としての「有限会社」
・海外の広義の「有限責任会社」である「Ltd.」
を全く同じものとして考えてしまうと、ビジネスの規模感を見誤ってしまうことがあります。
「Ltd.」がついている会社は、有限会社なのか株式会社なのかという疑問に対しては、
国ごとの法律に基づいた有限責任の会社であり、日本の株式会社に近い性質のものも多く含まれる
と理解しておくのが最も正解に近いでしょう。
「Ltd.」はどこで見かける?
日常の中で、私たちは実際にどのような場所で「Ltd.」を目にしているでしょうか。
一番身近な例は、海外企業の公式な社名表示です。
また、企業のホームページを訪れた際、画面の最も下にあるフッターと呼ばれるエリアをスクロールして見てみてください。
そこには著作権を示すコピーライトの表記として、以下のような一文が書かれているはずです。
© ABC Ltd. All Rights Reserved.
この「All Rights Reserved」は、ウェブサイト内の文章や画像の無断転載を防ぐための「すべての権利を保持しています」という意思表示です。
その権利を持っている主体として、会社名の最後に「Ltd.」が使われています。
このように、企業のホームページのフッターは、その会社が実在する信頼性の高い組織であることを示すために、正式な会社名である「Ltd.」の表記がよく使われています。
「Ltd.」と「Inc.」の違いとは?
「Ltd.」と並んで、英語の会社名で非常によく見かけるのが「Inc.(インク)」という表記です。
この二つの最大の違いは「よく使われる国」です。
大まかに言うと、「Ltd.」はイギリスやカナダなどの国で好まれ、「Inc.」はアメリカ企業に圧倒的に多く使われています。
どちらも「有限責任の会社」を表す点ではほぼ同じですが、言葉の成り立ちやお国柄による好みが異なります。
「Inc.」の詳しい意味や、「Co., Ltd.」も含めたより具体的な違いについては、こちらの記事でわかりやすく解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。
英語【Inc.】とは?意味や読み方、株式会社との違いをかんたん解説!
「Ltd.」に関するよくある疑問(FAQ)
最後に、多くの人が感じている疑問を、一問一答形式でまとめました。
Q. Ltd.は株式会社ですか?
国によって法律や会社の定義が異なるため、完全に同じものとは言えませんが、実質的な役割としては日本の株式会社に非常によく似ています。
海外では「株主が自分の出資額の範囲でのみ責任を負う会社」の総称として幅広く使われているため、日本の大企業が英語表記をする際にも使われることがあります。
Q. Ltd.は有限会社ですか?
直訳すると有限会社に近いニュアンスになりますが、前述の通り日本の法律における有限会社とは異なります。
現在、日本では新しい有限会社を作ることができませんが、海外の「Ltd.」は今でも現役で新しく作られ続けている一般的な会社形態です。
Q. 電車の案内で見かける「Ltd. Exp.」も同じ意味ですか?
電車の「Ltd. Exp.」は「Limited Express」の省略形で、日本語では「特急列車」を意味します。
会社名:「責任が限定されている会社」
電車:「停車駅が限定されている急行列車」
同じ「限定」という言葉が、ビジネスと鉄道でそれぞれ違う役割で使われています。
今日のまとめ

今回は、会社名によく使われる英語の「Ltd.」について解説しました。
「Ltd.」は「Limited(リミテッド)」の省略形で、「有限責任の会社」という意味です。
主にイギリスやカナダなどの国で好んで使われています。
ビジネス英語の略語は一見難しそうに見えますが、一つの言葉の意味を紐解いていくと、その国の歴史や法律の仕組みまで見えてきてとても興味深いですね。
今回の記事で紹介した「Ltd.」にとてもよく似た言葉として、「Co., Ltd.」という表記もよく見かけます。
次回はこの「Co., Ltd.」が一体何の略で、今回の「Ltd.」と何が違うのかをさらに掘り下げて解説します。
※英語の略語シリーズはこちらをお読みください。
【Inc.】は何の略?意味や使い方を解説した記事はこちら👇
その他の英語の略語シリーズはこちら👇

